素材によって眠りは変わるの?

おふとんは素材によって「眠り」への影響に違いが生じます

素材特製とご自分の眠りが合わないと、不快感が多くなり「快眠」ができにくくなります

この章では「素材別のおふとんの特性」を詳しく見てゆきましょう

🔷一目でわかる素材の比較

種類  保温性 吸湿性

排・透湿性

回復性 軽さ フィット性 耐久性
 もめん 3 4 1 5~1 1 3 5
 真綿 5 5 5 1 1 5 1
 合繊 3 1

4

3~1

5 2 2
 羊毛 5 5 5 3 1 3 2
 羽毛 5 5 5 5 5 5 5
 麻 1 4 5 2 1 3 5
ウレタン 4 2 5  5 1  5~3 5

注:数字が高い方が良質状態を示します。日干しなどのお手入れや使用状態によって数値は変わることがあります。

🔷素材別ふとんの特性

もめん綿(綿花)

用途:掛・敷ふとん、肌掛、座布団、こたつ布団など多様性あり
もめんふとんの特徴

 保温性、吸湿性、弾力性、回復力に優れて、安価なため昔から使われている日本の代表的

なふとんです。水分を繊維に溜め込みますので排湿性が劣ります。湿気が多い日本では日干しが最良のお手入れになります。日干しをすると乾燥してふっくら回復しますから、温かくふっくらして柔らかいお日様のにおいがするおふとんになり、この感覚はもめん綿だけのため、愛好家が多いふとんです。製綿したもめん玉綿を職人が一枚一枚重ねてお作りするので、どのような形のおふとんにもお作りできます。掛ふとんで10枚約4キロ、敷ふとんで18~20枚約7~8キロになり、重さがあるしっとりとした寝心地になります。座布団は落ち着きがあり座りやすく、こたつ布団は保温力があるので暖かく電気代も効率よくエコなふとんです。

もめん綿最大の特徴は「打ち直し」というリフォームができること。硬くなったもめん綿を製綿機でやわらかくもみほぐして、再利用できるもめん綿に戻します。価格もお値打ちなため繰り返し再利用してお使いになることもできます。

 

注意点

 お手入れについては「おふとんのお手入れもめん編」を参照ください

最近はポリエステルを混ぜた綿ミックス綿が主流になっています。重さも軽減できふっくらしてあたたかいと評判です。掛ふとんで葯3キロ、敷布団で約6キロくらいです。これなら扱いも楽です。木綿布団にはダニが入りやすくほこりが出やすいので、心配な方はこまめな日干しや掃除機によるほこりの除去をお勧めします。木綿ふとんはすべて職人の手作りになります。購入は「木綿ふとんを扱う専門店」にご相談ください。

 

羽毛ダウン 用途:掛布団、合、肌掛布団
羽毛ふとんの特徴

 水 鳥の胸毛を用いたふとん。掛布団としては最適品になります。軽くて吸湿・排湿に優れ、空気層が多いので保温力が大きく、さわやかで蒸れが少なく、体へのフィット性が良いので要件をすべて満たしています。最適な掛ふとんといえます。水鳥を食する文化がある国が発祥、ダック(あひる)中国、東南アジアとグース(ガチョウ)欧州とあります。一般的にはグースはダウンが大きく耐久性があり高価です。ダックはダウンが小さくヘタリやいので長く(3~5年程度)は使えません。価格もお値打ちです。親鳥から採取したマザーダウンは成熟しているので耐久性があり保温力も高く10年以上しっかり使えます。詳しくは羽毛の素材特性をご覧ください。

 羽毛ふとんとほかの布団の最大の違いは、ダウンがそのままの状態で側地に入っていることです。ほかの素材はふとんの形に整形して使います。中でダウン(羽毛)が動きますから、フィット性があり寝返りをしてもずれることがない特徴を持ちます。羽毛を包む「側地」によっても寝心地変わります。基本は綿100%の織物が主体です。糸の太さにより柔らかさが異なり、寝心地に影響します。羽毛の特性を生かし通気性や排質性を損なわない素材がベストになります。又、ダウンは小さな穴でも吹き出しますので、側地の気密性も重要です。さらに保温性を高めるため側地をいくつかのブロックにして(キルト)羽毛の移動を抑え、体への密着度を高めています。側地の種類やキルトの工夫によっても寝心地は大きく変わります。寒冷地、温暖地、日本家屋、マンション、暑がり、寒がり、汗っかき、からだが大きい、小さいなどお使いになる人によって眠りの条件が異なります。それらすべてにに対応できるのが「羽毛掛布団」です。

 

注意点

 羽毛掛布団は側地(包んでいる布)の中に羽毛(ダウン)が入っているだけです。手荒な扱いをしなければ、痛むことが少ないおふとんです。お手入れを適切に行いましょう。詳しくは「おふとんのお手入れ、羽毛編」をご覧ください。最近価格訴求による粗悪品が出回っております。未熟ダウンを多めに入れてかさ高を出したり、側地に合繊繊維を用いたりしています。「羽毛」という名前に惑わされるのではなく、良い眠りをするためにも「信頼できる専門店」にご相談されることをお勧めします。

 当店「快眠羽毛工房」は羽毛ふとんを手作りしております。完全日本製のオーダーメイドです。

中羽毛や側地のやわらかさが確認ができ、サイズや暖かさなどご自分にぴったりの「羽毛掛ふとん」をお作りできます。中羽毛を再利用するオーダーメイドのリフォームもできます。

ぜひ、ご相談ください。

羊毛 掛ふとん、肌掛ふとん、敷ふとん、毛布、シーツなど

羊毛ふとん

の特徴

 ヒツジ科,ヤギ科の動物から採取した「毛」を用いた寝具です。ウール、キャメル、カシミヤの名称で洋品などにも多く採用されています。牧畜が盛んな欧州が発祥になります。羊毛は木綿の2倍、合繊の20倍も吸湿・排質性にすぐれています。採取した毛を綿状に加工して「ふとん中材」にしたり、毛を編んで毛布などに加工します。毛皮をそのまま用いる「ムートンシーツ」もあります。毛布類は古くから使われております。布団は近年開発されました。羊毛布団のデメリットは「ヘタリ」にあります。もめん綿のような回復性が弱く、薄くなってしまうので敷ふとんの支持力に問題があり、様々な商品が開発されてきました。30年ほど前「婚礼セットの敷ふとん」として出回った2枚使いの羊毛100%の敷ふとんは人気があり、今でも大切に使われている方がいます。温かく蒸れが少なく1年じゅう快適に眠れるのが最大の特徴です。

注意点

 羊毛のほとんどは輸入品です。刈り取ったままの状態ですから、糞やゴミが付着しているため

「悪臭の元」になり、高品質の洗浄でないと使うことができないほど臭いが出ます。洋品のウ

ールと寝具用の羊毛はそのあたりが異なります。また、羊毛ふとんはヘタリ安いので、お手入

れを定期的にされることをお勧めします。再利用はできません。気持ちよく使える寿命は3~6年

くらいと考えてください。

「羊毛とポリエステルの混合綿」もあります。ウール50%の表示が多いふとんになります。羊毛のヘタリを解消するために開発されました。ウールとポリエステルは重さやかさ高が異なるため、50%がどちらに寄るかにより、ウールの量が異なり寝心地に大きく影響してきます。おおよそ、価格により判断できます。


合繊 掛・敷ふとん、肌掛、こたつ、毛布、敷パット

合繊ふとん

の特徴